【 ソープ四方山話 〜 その33 】
 
 
Houtou 記(1)



 露骨な話ながら、私は若い頃から股間の宝刀が完全に勃っていると、ソープ嬢に「形がよくて、すごく堅い」とよく言われた。サイズとしては見劣りするから、形や堅さで褒めるのだろう。
 この宝刀は私が亢奮して心の奥底から情欲を昂めれば、カリの張りが最高潮に達し、光沢を帯び、あくまで堅く、大量の先走り汁を流した。多少早漏気味、小ぶりであることを除けば機能的には優れものだ。
 何度か対面した嬢は、「(部屋に入ったところで)パンツを下ろしたら(ペニスの)先に(チン汁の)滴を溜めているという人はそうはいないわよ」と、よく私に言った。59歳の今でも私はこう指摘されることがある。嬢がニンマリそう言って、チン汁を鈴口から掻き上げてカリ全体に塗り拡げるから、好意的な発言だ。
 残念ながら壮年期を過ぎると、カウパー腺液の濡れはともかく怒張のほうは親しく馴染んだ嬢をクリトリスを刺激することによってイカせて嵌めようとする時だけまあまあの状態になった。
 私は、女のイキの不随意の震えと陶酔の顔を見れば、女を愛しいと思い、ペニスにも充分な怒張が得られた。しかし、初対面となるとなかなか難しかった。嬢に心からの親しさやうちとけが感じられないとか、その言葉や所作に何か引っかかりを感じたとか、或いは、嬢があまりにも魅力的で気後れしたとかで、ペニスがあっけなく不調になった。
 40代の頃でも、宝刀はただだらしなく欲情の涎を流すだけで、頼りない勃起のまま雄々しい抽送がまるでできずに、不完全燃焼のうちに洩らすように射精することもあった。
 55歳を超えると、宝刀がますます内気になった。初会では、即尺を受けてもなかなか完全に勃起してくれないし、マットプレイでローションを駆使して揉みたてられても、手がカリから離れれば張りを失った。
 若い頃から臨戦抜き身の時において、最高揚といじけの時間の分布比率が適正ではないこの宝刀は、持ち主が女遊びになれすぎてしまって、心の奥底から欲情することが難しくなると、この影響を完璧に受けていた。
 たとえ相方にそれなりに期待を高め、良質の体型に気持ちを逸らせていても、ダメなことには変わりがなかった。宝刀が期待に応えるのは、相方が私のクリニングスで、早めに、見事に気をやった時だけ、と言っても殆ど間違いがなかった。こういう時には私は見事に亢奮して怒張に至ることができた。
 セックスというものは勃起が完全な状態でないと楽しく遂行できないから、これには困った。性欲があってソープに突撃しているのだから、1コマの初対面の中でどうにか勃起する時がある。そのチャンスを見送らないようにして嵌め込み、精を放っていた。
 なかなか意のままにはなってくれないけれど、私の心の態様に従って様々な姿を見せ、無上の快楽を導く愛しい宝刀だ。

 とにかく勃起不全傾向が増し、もうイライラ棒と言ってよいから、私は困り果てて、平成17年の半ばにとうとうレビトラを使うようになった。
 この勃起不全治療剤の威力が凄まじかった。これを服用してからファックすると、58歳という年齢なのにまるで棒きれをバギナに突っ込んでいるような感じがした。
 私はもともと精力が強くはなかったから、宝刀の怒張がこのように確かになっても、歳が歳ではあるし、一回の対面で二度の射精がさほど可能になったわけではない。しかし、ピストン運動で宝刀の雄々しさと持続が格段なものになった。
 このことが、私のソープ遊びに新しい展開をもたらした。
 ソープの初会では、私はデリケートで人見知りする性格から、相方がどういう女かを見極め、どのように誘導していくのか、どうやって私という人間を認めさせるのか、こういうことに心が忙しくて、たとえ、好みのタイプだと思っても、雄々しい完全勃起がなかなかできなかった。
 その結果、私は甘い情緒と強烈な性技を繰り出せる女、私の熱烈な愛撫を全身で楽しんでくれる女を人一倍求めた。若い時からそうだった。
 だから私は、心理的に距離感があって情緒が希薄な初会の遊興というものに全く積極的ではなかった。初会の遊びは慎重に相方を選んでいて、検討熟慮の結果やめてしまい、馴染みの女を予約してしまうことが多かった。
 とにかく嬢が『受け』において性的昂揚と乱れが顕著で、『攻め』においてペニスを強烈に刺激する、そういう女で、器量よし気だて良し、そして賢そうなタイプを求めるのだから、殆どの女が不合格になってしまう。
「ほんとに貴方は好みがうるさくて、本当に難しい人よねえ。田代ちゃんは、顔の悪いのは駄目、スタイルの悪いのは駄目、優しくなくちゃ駄目、馬鹿で話ができないのは駄目、おちんちんを上手にさわれないと駄目、そして、イカない女は駄目なんだからぁ! それだけ揃えるのは容易ではないわよねえ」
 小説『翠』で私が四十代初期の頃に惚れ込んでいた嬢にこのように判定されていた。
 ところがレビトラを使えば、初会であっても、更に、たとえ「この女はタイプではない」と思ったとしても、それどころか蹴っ飛ばしたくなるようなドチンピラ女に対しても、私の宝刀はカリに適切な刺激を受けさえすれば必ず見事に確実に反りかえった。
 心のデリケートさに影響されることがなくなってしまい、もう気味が悪いぐらいに怒張した。毎度相方に「お歳の割に元気なのね」の心で感嘆されることになり、安心感がグーンと増した。
 必然的に私は新規の遊興への意欲が増すことになった。初対面の入浴を繰り返すと、私は、勃起力のある男はどんな女と遊んでもそれなりに愉しめるということがよくわかった。
 勃ちの盛んな男は、ソープでとんでもないビックリ女が現れても中折れすることなく、肉のこすれを満喫できる。自分がこうなると、これは本来の私とは全く位相が異なっていた。
 地雷という言葉を使いたがり、意に染まぬ相方をネットでくさすような男は、多分勃起力が弱いのだろうと私は思った。
 確かに、割れ目にありつけば勃ちまくれる男は、これはひどいぞ!と思う女が現れても、このスベタめ!と怒りをペニスで叩きつけ、やり殺すつもりで抽送しておればいいのだ。むしろ攻撃的に腰を振るだけに、射精感は好感を持った女との場合と何ら変わらない。
 勃ちさえ良ければ、好き嫌いは別にして肉体のストライクゾーンが無限大にまで拡がる。そうなると、相方に対する好感の大小よりも、バギナの感触や動きのほうが、ピストン時の快感と心の感動を左右するような気分になる。射精感と抽送感さえ満足されれば、ファックはそれなりに楽しいのだ。
 男が説く『女性論』『恋愛論』『セックス論』というのは、その男の勃起力にまるで影響を受けるものだということが身にしみてわかった。勃起力の乏しい男ほどの問題のほうにのめり込むことだろう。
 私は、馴染みの女を予約してやらねば、という心が少し減退し、それまであまりしてなかったソープ店のホームページ巡りをよくするようになった。当然放蕩が一段と激しくなった。とにかく、初会の遊びがぐーんと増えた。それだけでなく、入浴する店も一段と数が増えた。月の入浴回数も多くなった。
 それは、惚れ込めて安定的に通える相方を求めての放蕩なのだが、老後のことを考えれば心配なぐらいであった。
 私は裸の女と69で延々と絡み合っているのが好きだけれども、その最中にペニスが八分勃ち程度にしかならないことが多くなっていた。それでは気持ちよくないし、嬢からは、しゃぶり甲斐がないし、エロいことを楽しむ張り合いもない。
 ところが、レビトラを使うと69をしている間ペニスが終始カキンコキンに怒張しているから、女も興が削がれることがない。熱心にペニスにじゃれて、固さと刺激への耐久性を楽しんでくれる。そして、私も余念なくオーラルができる。
 大体クリニングスをしておれば、フェラチオされなくても宝刀が力み返っているから、これはありがたかった。舐める→嵌める→舐める→嵌めるという連続淫行が余裕綽々で可能だ。
 いろいろなソープ嬢に入浴すると、このオーラルプレイの妙味が一段と増した。勃起の良いペニスはソープ嬢に張り合いを感じさせる。そこで女の様々な性戯と性感を観察するのはとにかく興味深い。ソープ遊びでは互いの性戯発揮を楽しみにしているだけに、これはとても嬉しい。
 そして、相方が私のクリニングスでイッたら、そこでフェラチオなんぞをさせなくてもすぐに合体できるのが結構だ。イッた直後の抽送というのは間違いなく女に快感をもたらす。とにかく生勃ちではなくカキンコキンに怒張した肉棒だから“嵌められ感”が著しい。フェイクではない喘ぎ声が必ず出てくる。
 しかも、レビトラを使う前に一番ピストン運動が持続したファックの抽送時間を思い出すと、この最大歓喜の時よりも明らかに抽送の持続が拡大した。これがファックを楽しくしてくれる。挿入感、突き刺し感、かき回し感が飛躍的に増大した。
 一方オーラルセックスについては、これは合体抽送セックスにはない面白さがある。それは、私の背丈が嬢より10cm高い場合と、逆に嬢より10cm低い場合、嬢のウエストが65cmと56cmの場合、嬢のヒップが92cmの場合と79cmの場合などで、69の際の女の淫らな姿を考えればわかる。
 合体抽送セックスでは、この両極の状況においてそんなに味わいが変わるものではないと思う。
 しかし、69をしたり、一方的にクリニングスをしたりすると、この両極の体型では随分違った感興がある。
 長身の女の太腿というのは、背が低い女の太腿よりはやはり豪快に長い。その存在感のある太腿の間に顔を突っ込んでいると、背が低くて豊満に至ってはいない女の短い足の狭間にクリニングスするのとはかなり趣きが違う。
 豊満な女の内腿を押し開き、ふっくらしすぎている大陰唇を押し込んで、埋まり気味のクリトリスにオーラル行為をするのは、痩せた大陰唇から露骨に飛び出たラビアを唇で挾み、その上部からクリトリスを誘い出すのに比べて、作業実感が見事に落ちる。しかし、苦労がイカセの快感を増幅したりもする。
 長身の女の、見事に長い足をたたませて股ぐらを攻める征服感も良いし、背の低い女の短い足を180度開脚させたり、膝が乳房にくっつくぐらいに屈曲させ、小さくたたませてクリトリスやアナルを露わにする猥褻感もなかなか楽しい。
 とにかくオーラルプレイというものは、女の足と腰と性器と恥毛と肛門と、すべての態様を浮き彫りにして楽しむものであり、女の体型の違いによる淫ら像のバリエーションが嬉しい。ただ、これはペニスが勃っていることが大前提だ。もしこれが縮んでいるか、次のステージでちゃんと勃起ができるのだろうかというような焦りが心にあるのなら、感興はまるで萎んでしまう。
 レビトラを使って初会の入浴が増えると、私は抽送感覚の飛躍的な増大に痺れただけでなく、オーラルプレイの愉しさがますます拡大した。

 私が放蕩に使用する宝刀の改善について更に述べよう。
 この宝刀は、基本的に普段は露茎だけれども、縮小時には、カリ溝に落ち着いている反転した包皮が幾重にも織りなしているのが特徴だった。歳をとると、平静時の縮み具合が情けないほどになるとともに、包皮のだぶつきが増してきて、以前のように一日中露茎であり続けることが難しくなった。
 ところが、ファックを実行する時に勃起不全治療剤を使うとともに、毎日八味地黄丸を服用すると、『陰萎にも効く』の噂通り普段の宝刀のサイズが以前に戻った。嬉しいことに、ペニスにダラリとした感じが出てきた。猛吹雪の体感温度マイナス20度のスキー場でのいじけたペニスが、ビキニ姿の女がうようよいる海水浴場での浮き立つペニスになった。
 剥き上がった包皮のだぶつき感が消滅し、露茎状態に戻ってきたというのは嬉しいことだ。
 私は薬にとても過敏な体質だから、薬というものに恐怖心や敵愾心を持っていたぐらいなのだが、八味地黄丸とレビトラには大いに感謝する。
 私の放蕩ぶりがかなり変わっただけに、そのいくつかを皆さんに紹介しようと思う。別におもしろおかしく書くつもりはない。事実をそのまま書く。すべて平成17年の金津園での遊興だ。
 一応店については、概略の説明も仮名の表現も避けることにする。以下に出てくる嬢が、同じ店で働いているのか別の店で働いているのかも明らかにしない。自分で『放蕩』というぐらいだから、私の本来の遊興パターンががらりと変わって、それぞれが別の店であると理解してもらってよい。現に会員カードが随分増えた。
 とにかく固有名詞は関係なしで、私が、どう遊び、どう行動し、何を感じたか、相互性感感受はどうだったかを読み取っていただきたい。
 ただ、私が女の心にどう飛び込んでいったかについては、私の個性的で偏向的で、ひたすらエロくて、工夫の心がある会話をできるだけ再現するのが良いのだけれど、会話についてはなるべく書かないことにする。
 思い出しにくいということもあるが、女の家族・故郷・業界入りまでの経歴・悩み事など聞き出した会話の流れを書くと、嬢の個人的なことの描写が多くなり、嬢を特定しやすくなるからだ。登場する嬢の多くが現役であるからにはそれは困る。
 また、嬢の個人的なこととか本音とかを引き出すために私がしかけた会話には、当然私の個人的なこともたくさん含まれていて、こちらもそんなにあからさまにはできない。
 女の体に明確な傷があるとか、ラビアにピアスの孔があるとか、タトゥーとか、美容外科的処置とか、店の運営方針の批評とか、こういった方面の事実や会話も、嬢の特定がしやすくなるから一切触れない。
 従って、ここでは会話の描写は端折り、人間関係の実態とはやや乖離して性的な事柄のウェートがやたらと高くなるけれど、私の場合、嬢との年齢差や、豊富な遊興経験などから、初対面でもかなり立ち入った会話をいつもしている。何しろ時間は120〜130分の入浴だから、しゃべる時間はいくらでもある。女遊びの半分は会話の面白さだと私は思っている。
「初対面の客にここまでぶっちゃけて話したことはこれまでないでしょう?」と聞くと、にっこり頷かれるのが私は毎度のことだ。
 読者は、ここで私がする性格描写と性器の描写などで登場人物に(ハハーン)と思うことがあっても、どうかそれを2ちゃんねるなどに書き込むことは止めて頂きたい。
 比定が正しくても間違っていても、それは人の道に反することですから。
 また、嬢の個人的なことを聞き出そうとするのは、私のように嬢と歳が充分離れているとやれることであって、40代以下の人はあんまりこういうことをするものではありません。

レイナ
 レイナが店で最も人気が高いと知っていた。のみならず、店のアルバムを見て顔立ちを知っていた。
 私はレイナの写真を見て、(目の玉がやけに目立って、顔の輪郭がぴんと来ないし、どっちかというと平凡な器量なのに、どうして人気が高いのだろう)と思った。
 アルバムの写真では頬骨の張りだしが目立ち、額がやけに強調されて、大きな目の目尻が上がり気味で、27歳ぐらいの心持ち老けた顔が精一杯目を見開いて若く見せようとしていると思えた。
 だから、レイナは見た目以上に、よほど接客のしかたに特色があるのだろう、と期待した。
 会ってみると、顔立ちはアルバムの写真よりもかなり良かった。目が良い。見開いていなくても大きくて、とにかく瞳が目をひく。やっぱり美人は目で決まる。背丈は低いほうだけれども私よりは高いし、ウエストがまあまあ絞られてスタイルに難はない。ただ、骨盤の幅が狭いから見た目寸胴系ではあった。
 そして、肌がきめ細かくて良い。更に、華やいだ表情と高めの女らしい声で語りかけるその顔が見た目も実際も存外に若かった。
 レイナは人気があるだけに、さすがに応対にそつがなかった。眼差しが柔和で、ほほえみを振りまき、初対面の客に自らうち解けようとする──これが第一印象だ。大変朗らかで、とにかく笑顔が良くて、客に親しく飛び込む会話と女っぽく迫るような仕草ができた。何やら健全な艶麗さがあった。
 積極的に明るくお喋りして、その声が大層柔らかくて、しかも、初対面の私とできるだけうちとけあおうという気持ちが伴っているように見えた。
 だから、レイナが、女やソープ遊びにさほどなれていない男達の気持ちを見事な女の媚びでしっかり掴み、仲間も羨むほど指名が稼げるのは納得できた。月に3本とか8本とかの指名をかける上客で独身の(さほど女攻略のうまくなさそうな)客がたくさんいそうだ。
 要するに、典型的なナンバーワンタイプの(極めて品の良い)営業上手的な喋り方をして、甘いトークをふりまく感じだ。真面目な男がレイナには一発で熱中してしまうことが多かろうと想像した。
 レイナはすぐに即尺にかからなかった。きちんと会話をして私がどういう男なのか見定めよう、自分がどんな女なのかわかってもらおうという態度だった。そして、その会話の仕方が、若い割には大人っぽくて、私の判定ではなかなか見事だった。なかなか賢そうに見えた。
 それは、ソープの普通の客ならば大満足する飛び込み方だろう。
 しかし、並はずれたエロ好みでおふざけプレイの好きな私からすると、レイナの応対は真面目すぎて扱いにくいという印象だ。高額店の女らしい丁寧な言い回し、しかしながら、次はどうしますかではなくて、次はこうしてくださいという誘導、ありきたりのコケットリー、バカをしない賢さ、こんな感じを受けた。確かにいかにも健全な妖艶さだ。
 それはあまりにも厳しい見方なのかもしれない。でも、ソープなれした私には、もう一つ気持ちが昂まらない何かがあった。うがった見方なのかもしれないが、レイナの接客には線を引かれた所定のコースのようなにおいを感じた。
 私が繰り出す話題にはさほどついてこずに、性遍歴のような際どい話は上手に受け流し、自分のペースで会話を進め、自分の誘導する会話で私を楽しませようとするところが、レイナの真面目な性格の表れなのだろう、と肯定的な見方もしてみた。
 こういう評価は対面後一時間ぐらいでほぼ形をなしたのだけれど、必ずしも否定的な気持ちのままで終わったわけではない。具体的に遊びの流れに戻ろう。
 服を脱ぎながらレイナに経歴を聞くと、存外に短かった。ソープ嬢というのは、長く働く女は5年8年と働くけれど、半年や1年でやめる女も多い。だから、私は2年を超えればそれなりのキャリアという見方をしていた。
 レイナはかなりの売れっ子だから、3年働けば、普通のソープ嬢の5年に当たる接客をしている。ということは、かなりのベテランと言っていい。
 そのレイナが、私の「部屋をもっと明るくして」の頼みに、僅かに照度を上げただけだった。
「まだ暗いよ。もっと明るくしてくれない?」の注文も、嬌声巧みに受け流すから、いかにもうち解けた応対の割にこれでは大いに不満だ。
 対面してすぐ、そつのない飛び込んでくる会話をして、私が──なるほど、さすがだ、大した女だ──と思っていただけに、このことだけで急転して評価を大幅に下げざるを得ない。新人嬢ならこんなことで減点しないけれど、レイナのほどの女ならばっさりだ。
 それはともかく、私は、私のエロトークについてこないレイナの真面目さと、──私(レイナ)の進める通りに楽しんでください──と思えるような誘導的姿勢に多少の引っかかりは感じたけれど、レイナの容姿が良くて、きちんと即尺をして、大きな目を終始私に向けていることに充分気持ちを昂め、即のベッドプレイに入った。
 ところが、クリニングスしようとして性器を眺めたら、レイナの割れ目がかなり短かかった。その上、クリトリスと小陰唇があまりにお粗末で、異常なほど小さい。そして、小陰唇には殆ど着色が見られない。
 あまりに児童系のおまんこなので、私はいささかガッカリしつつ苦笑した。性遍歴の豊富な女が、心惹かれる男に誘われるようにしむけて、うまくいったと思ってベッドを共にしようとしたら、やけに小さくて堅さの足りないペニスだったようなものだ。
 クリトリスや小陰唇がまるで突き出ていないとか、変色していないとかでもって感度が悪いとは限らないけれど、オーラルする立場としては、なかなか猥褻な気分にならないし、こういう形をしているとイクのに時間がかかったり、オーラル行為をされることをいやがったりの女が多くなる。それが私の長年の経験則だ。
 私はいつものように熱意を込めてクリニングスをした。レイナは口淫をいやがりはしなかったし、きちんとM字開脚に努めていて、かなり濡れたけれど、肉体の昂揚はあんまり感じ取れなかった。私のオーラル行為に感動の言葉を出すことがなかった。
 売れっ子だからこその大変飛び込みの良い会話をして愛想も良くて、ベッドプレイに入る時の雰囲気も女っぽかっただけに、シーツに円形の染みを作ったところで、レイナが私の性技に関して何らの外交辞令も出さないのは大いに不審だし、面白くない。
 私のオーラル行為に感動の言葉を出さずに、ただ静かに股を開いている女に、私が裏を返すことは絶対にあり得ない。
 大体が、そういう私が感動できない態度の女というのは、これまで20数年間金津園で遊んでいてそんなに会ったことがない。
 すごい!、いい!、気持ちが良いわ、お上手ね、こんなの初めて、私…狂っちゃう、何しているの?、どうやっているの?、私…へん──こんなふうに言われるか、何も言わずに見事に喘いでいるのを聞き惚れるのが私は当たり前であって、渾身のオーラルに、ちっとも指名が入らない女ならともかくも人気嬢のレイナが、たっぷり濡れておきながら感動の言葉を出さず、表情も変わらないというのは大変心外だ。
 私は即ベッドのオーラルプレイでかなりとらえどころのないレイナの陰核茎部を攻めながら、二度目のセックスプレイはどうしたらいいもんだろうかと考えていたのだった。
 それにしても、私は見事にレイナの割れ目の上部に舌を突き出し続けていた。お汁が出るからには、たとえ陰核茎部が舐めにくい形状をしていても、私はなかなかクリニングスをやめない。
 レイナのようにまるでクリトリスが目立たなくて、舌を突き出してする以外のオーラル行為がやりにくいのは、まことに舌が疲れる。
 レイナは喘ぎ声もさほど上げなかった。しかし、シーツをかなり濡らした。オーラルを終えて合体しようという時に、レイナにシーツを濡らしたことを指摘する軽口を言っても、レイナは気をそそるようなことを何も言わなかった。
 エッチ開始前の愛想の良さと比べて、エッチのメインイベントのオーラルプレイで何事もなかったような顔では違和感がある。
 否定的なことを書いたけれど、私だからこそのことだ。普通の客、要するに、嵌めるだけの客、美女とのお喋りを愉しむだけの客、良い女と対座すれば嬉しくなる客、フェラチオさえきちんと受けられれば張り切れる客、女の媚びに簡単にノックアウトされる客、こんな客ならばレイナは大満足できる女であることは間違いない。出勤すれば平日であっても客がフルにつく上玉だ。
 最大公約数とか民意とかの示すものが間違っていることがよくあるというのが理解できる。一般大衆というのは物差しがもう歪んでいるのだ。歪んでいないとするなら、物差しのレベルが低いのだ。
 オーラルプレイの後の合体では、レイナの嵌められている間の表情がなかなか良かった。これもレイナの人気の所以なのだろう。オーラルで陶酔の顔を見せずに抽送でよがり顔を見せるのは、もっぱらバギナで快感を感じるというめずらしいタイプなのかもしれないし、フェイクがうまいのかもしれない。
 このどちらであるのかは何度か対戦しないと答が出せない。しかし、確率統計的にはフェイクだろう。
 それはともかくも、ニセのよがりだと察知させない限り、よがり顔を示されるのは大変結構なことだ。私は、前戯の段階で静かに目を瞑っているだけのレイナに気持ちが燃えていなかったのとは逆に、交合の本戯では楽しく腰を振った。さすが上玉で、宝刀がビンビコビンに力み返っていた。
 クリニングスで私は気持ちが燃えずに冷静にレイナを観察する気分が続いたせいなのか、随分ピストン運動が長持ちした。レイナの妖艶な嵌められ姿に感じ入りながら、最後に激しく射精した。とにかくレイナの『嵌められ顔』が良かった。下腹から胸までの肌もとても魅力的だった。
 レビトラの効果はまことにありがたい。これがなかったら、間違いなくペニスが不如意になっていたと思う。オーラルプレイで相手が本気にならない時はいつもそうだ。
 その後のレイナの応対はやはりそつのないものだった。紛れもなくいい女で、私は楽しく会話しながら──真面目すぎてエロさが出てこない!──の印象を強めたけれど、私にしなだれて話し込む様とか、私の目を見つめて語りかける様とか、女の魅力はたっぷりだった。
 とにかく初めて会ったというのに、お喋りタイムで私にぴったりと体を寄せて、私を見つめてしなだれる媚びが魅惑的だった。
 男が、クリニングスで気をやらせることに重きを置かないならば、レイナは最上級に列するに値すると思う。
 私は──これほどの女なのに、私のオーラルで乱れてくれず、エロさも消火しているのは、実に残念だ──と思いながら、ソープ通のヨタ話をしていた。
 充分話し込んだ後二回戦を始めた。
 ここで私が射精できることは、レビトラの効用をもってしてもなかなか難しい。しかし、レイナのバギナが狭かった。前後しているペニスの先に快感がビンビン響いた。それに、それまでの談笑で、(妙に真面目な女だ)という不満はあっても、私の心はすっかり和んでいた。
 更に、床上手とでも言うのか、レイナはピストンを受ける表情が艶麗だ。仰向けのまま私を見つめる眼が良い。私は気分を高揚させて腰を送り、なんと二度目の射精ができた。
 二度目の射精ができた女というのは、レイナが僅かに3人目で、それは表彰ものだ。
 私の宝刀が二度目の射精を果たすほどバギナが狭いというのは、そこだけ捉えれば良品のおまんこであるに違いない。しかし、外観的にはかなりみすぼらしい女陰だ。私は女のウエストの細さと性器の熟れ方にはこだわりたい。
 しかも、レイナがクリトリスを刺激されても悦びが乏しいというのは、これだけ男の気持ちを捉える応対をして、かつ、ペニスの抽送を受ける表情が妖艶であるだけに、実に残念だった。多分レイナはクリイキはしないと思う。オナニーもそんなにしていないのではなかろうか。中イキも多分難しいだろう。
 昔何かの本で「イカない女ほど男を惹きつける妖艶さを身につける」というのを見た記憶がある。そんなことまで思い出した。
 それにしても、私に二度の射精をさせた女というのは、ファックをさせる女としては最上級に属するはずだ。
 売れる女の条件として「バギナの奥のほうが狭いこと」がかなりのウェートを占めるとよく理解できた。バギナの入り口が狭い女はNS店の場合いくらでもいるけれど、バギナの奥のほうが狭い女というのはそんなにはいない。
 レイナに入浴してから16ヶ月後、同じ店の嬢からレイナのことを聞いた。
 彼女が言うには、レイナは、出勤姿が履き物も衣服もまるで地味で質素で、話すことも真面目できちんとしていて、どう見てもソープにいるというのが信じられないような、とにかく全く普通の女(堅気という意味)という印象を受けた、きっとお金は貯めていたと思う、借金こしらえて業界入りするようなタイプではない、また、男にだまされるような馬鹿な女ではない、ということだった。
一般のソープ客の目で見て   98点 ソープ客としてやや偏向したところがある私の目で見て   75点


アンリ
 アンリはキュートな顔立ちにスレンダーな体であることを認めて予約した。かなり若くて業界歴が短く、ネットで毀誉褒貶があるのが不安要素ではあった。しかし、ミーハー客と思える男には人気があるようなので、私はどんな女だろうかと思って対面した。
 ところが、アンリはそれこそ真っ暗と言ってもよいぐらいに部屋を暗くしていた。そのようにする嬢というのは、私は性が合わないことが多い。その上、私が口に出した年寄りのインテリっぽい言葉が若いアンリには意味の取りにくいものばかりで、最初は話がちっともかみ合わなかった。
 21歳と若いこともあり、かつ、かなり教育不足だったのだろうか、知っている語彙がかなり少なかった。そのアンリが話がスムースに運ばないだけでなく、愛想潤沢とは言い難いから、私は大いに戸惑った。いつもは敬遠している22歳以下の女を選んだことを少し悔やんだ。
 アンリは『テキパキ』と表現しても良いぐらいに私を手早く全裸にし、即尺にかかるのが遅くもなくきちんとペニスを咥えた。ペニスをしゃぶる顔は思いの外小さめで、目がきらりとして、猫系の顔立ちだった。
 アンリがジジイ相手を意識しているか積極的に会話をしかけないから、うがった見方をすればやけくそでやっているようにも見える。もし、しょうがないという気持ちでやっているのなら、私は気持ちがストンと醒めてしまう。
 しかも、その段取りとかかり方に高額店の女らしい放胆さがあった割には唇の圧迫とこすりの丹念さが乏しくて、ペニスにまるで快感が走らなかった。その攻め方を見ているとキンタマに舌を這わすなんていうこともやりそうもなく──これはつまらないことになるかも知れない──と私は案じた。若さはともかくも、数ヶ月のキャリアの女を選んだことの是非を思った。
 取りあえずクリニングスをしてみた。アンリは可愛らしい顔と業界入りしたばかりの割には大陰唇の毛を見事に剃っていて、それがまるでたわしで擦られているようで、クリニングスがやりにくかった。
 しかも、腰の置き方がクリニングスに協力的でないというか、仰向けのアンリのマンコが終始下向きになっていて、私はかなり口が動かしにくかった。陰核茎部が沈んでいるというアンリのマンコの特質も当然オーラルプレイをやりにくいものにしていた。
 そもそもアンリは足の構え方がクリニングスに協力的ではなかった。それは、クリニングスをされることに不なれなことから恥ずかしさで固まっているのか、股関節などが良くないのかのどちらかだ。クリニングスをいやがっている可能性は一応ないと判断していた。
 拒否ではないと思ったのは、アンリがなかなか大きなよがり声をかなり頻繁に上げ、その時マンコが逃げていくような動きはなかったからだ。その声の確かさは私が対戦した女の中でもトップクラスだった。肺の奥から絞り出すような喘ぎ声で、フェイクであろう筈がなかった。ラブジュースも豊富で、シーツを広く濡らした。
 ただ、イケるかということになると、深い接触ができないこととかで、私の読みでは不可の判断だった。
 クリニングスがかなりやりにくいこともあって、私はアンリをイカせるのを諦めて合体することにし、ベッドの端に腰が来るように寝させていたのを中央に移動させた。
 そして、フェラチオなどの支援をさせずに、剃りマンを見つめて自分でカリを揉んだ。アンリが股を開いて寝そべっていて、私がその足の間に入って膝立ちしてのオナニーだ。
 他人の目で見たその姿を想像するとおかしくなるが、クリニングスしている時に流した先走り汁を絡めて揉みたてればすぐにピーンと来た。それだけ若いアンリの全裸のM字開脚が素晴らしい魅力なのだ。
 アンリは若い新人だから勃起の手助けをしようという手の動きはなかったが、股を完全に開いてしばらく性器を見せつけていたから、多少の好感は読み取れた。
 強張りがしっかりするや私は勇躍して若いマンコに嵌め入れた。やはり下付きなのであろうか挿入がしにくかった。
「お尻を上げて」と声をかけ、再度試みた。もたついて怒張が弱くなったチンポが全部もぐり込むと、中は狭くて温かかった。
 アンリは抽送にもよがり声が明瞭だった。私は亢奮不足で勃起が中途半端だから、狭いバギナの中をピストンしていると、レビトラを使っていない時のように早々と終末がやってきそうだった。
 それではつまらないから、69を始めた。アンリが私の口へマンコを任せるのが不なれなのか恥ずかしいのか、それとも股関節に問題があるのか、うまい具合に寄せられず、クリニングスが大変やりにくかった。クリニングスが楽しめないならフェラチオを楽しみたいけれど、フェラチオのやり方も未熟そのものだ。
 私はまるで興をそそられず、完全勃起を果たすために始めた69だけれども早めにやめて、また合体した。
 69のクリニングスでアンリのアナルをずーっと見つめていたせいか、私は先ほどよりも性的欲望を強めたらしく、今度はカリ首の張りが良かった。穂先が過敏にはならず、アンリの小柄な体を愛でながらたっぷり抽送した。そして、とうとう精液を放った。
 その後マットプレーを受けて、アンリの性戯の下手なことに苦笑した。アンリは若くて目のキリッとした美人であること以外はあんまり取り柄がないのだ。
 アンリはクリニングスの時もファックの時もしっかりM字開脚ができず、仰向けのまま股ぐらを開けて、両膝を乳房まで近づけるような体勢にならなかった。股関節に問題があるのかと思って訊くと、ヘルニアで大変悩んでいて無理な体勢ができないということだった。
 性行為についてかなり不なれの感があったのでそれについても尋ねた。
 アンリは業界入れの前の男性経験は僅かに3人。自慰の経験は皆無。ペニスのピストンでイッたことがないどころか、自己指マンでイッたこともない。男のペッティングなりオーラル行為でイクことについては、店では経験がなく、プライベートエッチではあったそうだ。
 しかし、その語る表情を見ていると、ボーイフレンドとのエッチで気をやったことがあるというのは誇張の可能性が大いにあった。イキでないものをイキだと誤認した可能性もある。
 しかし、アンリは不感症ではない。即ベッドで流した愛液によるシーツのシミはなかなか消えなかった。よがり声が大きいのもアンリの目立った特長だ。
 いろいろ喋っているとアンリはすっかり私にうちとけたようだった。笑顔も多くなった。「いつも一回こっきりの遊び方をしているのですか?」と唐突に聞いてきた。勿論私は否定したが、アンリに裏を返すことはない。
 私は、第二戦についてはあんまり期待していなかった。アンリは観賞対象としては良い女だけれど、私から見ればちょっと子供過ぎた。
 それでもやってみると不思議なことに射精まで至ってしまった。アンリを一方的にクリニングスで攻め、その最中に──2戦目ではさすがに自力勃起は無理だ──と思ったところでアンリにフェラチオを頼み、私にしては長い時間フェラチオさせた。
 その時までアンリの性技のまずさについて露骨に批評していたので、アンリは少し気を悪くしたようだが、それでも意地になって唇と舌で強引な動きをしてきた。そうなると、私の鈍感なペニスはこすれを感じて嬉しくなる。というか、私は相手の変化、うちとけに反応する。
 臨戦態勢に突入した後もしばらくチンコ舐めを楽しみ、ようやくアンリと合体した。それで、嵌めると、膣道を進む時はっきりとこすれ感を感じた。それは、第2戦ではなかなかないことだった。
 アンリの足の構え方は最初のベッドの時よりも協力的になっていた。私はアンリのよがり顔を眺め、気持ちをかき立てた。イキたいと念じた。勃起は充分だった。最強の堅さでペニスが肉壁をこすっていた。
 アンリは私の激しい往復に体を揺らしていた。ベッドはそんなに柔らかくなくて、私は膝の踏ん張りが利いた。腰に違和感が出ず、調子の良いピストンが持続した。
 そして、とうとう二度目の射精が来た。射精量はかなり少なくても、私は充分満足した。
 入浴し、タオルで拭かせ、私が下着を着だしたところでアンリがポロッと言った。
「スーツ姿が似合うのね」
 スーツ姿なんて二時間前にちょっと見せただけなのに、再びスーツ姿になる前にアンリがそんなことを言った。私のスーツ姿は石原慎太郎よりはダメだが、田中康夫よりは様になるだろう。
 そういえば、マットプレイを始めようとした時、俯せの私を見てアンリが悲鳴のように叫んだ。
「怖い!」
「怖いって、何が?」
「(貴方の)体が小さくて、(マットをするのが)怖い!」
 そんな言い方をされたのは初めてだ。屈辱感を超えて滑稽感だ。
 この侮辱があったからこそ、私はマットプレイの後、アンリに性技が如何に未熟であり、どのように改善したらよいのかを長々と解説してやった。それで、アンリは意地を見せて性技が強く長く繰り出せた。
 その日の遊びを総括すれば、初め〜どうなることか、終わり〜まあまあ満足、総評〜個性的な女。
 それにしてもこれだけ日本語の不自由な女はなかなかいない。「芳醇」「不粋」「エロい」「中出し」「中イキ」「クリイキ」なんていう言葉がアンリにはすんなり通用しなかった。「中イキ一番」なんてアンリに言おうものなら「中井貴一・番」になってしまう。エロとかソープとかに全く関係のない普通の会話でも、私が発した言葉はしばしばアンリには意味が取れなかった。
 私はこれまでソープ嬢としては知性や問題意識があるほうの女に通っていた。私の馴染みの女は──人から軽んじられるソープ嬢という仕事をしているだけに「馬鹿な女」にはなってはならない──とか──ソープの客は社会的にそれなりに成功を収めている人が多くて、そういう人は結構教養があるものだから、そういう殿方に負けないように少しは教養面で努力をしなければ──とか考えるのが多かった。
 そういうことを言った女たちの顔を思い出しながら、アンリとの会話のしにくさに私は苛立っていた。アンリはとにかく若い美女だし、コケットリーが男の気を惹くので、業界歴が短くても常連客がしっかりついているようだが、その常連客はアンリのかなりの無知についてどう思っているのだろう。
 私は翌日アンリの大きなよがり声と、前半とは様変わりの後半のなれ親しんだ嬌態を思い出し、何故かオナニーをしてしまった。レビトラの効果は翌日まで続いていたようだ。左手で受けた精液がアンリの若さのカンフル効果だった。
 会っている時も会った後も、私はアンリには批判的というか厳しい目を向けていたようだけれども、心の奥底では結構慕情めいたものが湧いたようだ。それだけアンリの笑顔の時の眼が優しくてきれいだった。また、快感表現の喘ぎ声が耳に残った。
 それにしてもアンリはネットで叩かれそうなタイプだ。
一般のソープ客の目で見て   85点 ソープ客としてやや偏向したところがある私の目で見て   72点

(千戸拾倍 著)
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